契約不適合責任とは?責任期間や免責などわかりやすく解説
売買契約を締結して、売主から引き渡された不動産に欠陥があった場合、買主としてはどのような主張を行うことができるのでしょうか。
債務の履行は、債務の本旨に従ったものであって、初めて有効なものといえます。
そのため、契約の内容に合致しない物を引き渡した場合には、債務の本旨に従った履行ではない(債務不履行)ものとして、売主は契約不適合責任を負うことになります。
このページでは、契約不適合責任とは何か、責任期間や免責なども併せて詳しくご紹介します。
契約不適合責任とは
契約不適合責任とは種類や品質・数量について、契約内容に適合しないものを引き渡した場合に、売主が負担する責任のことを指します。
その場合買主としては、以下のような請求を行うことができます。
・追完請求
追完請求とは、いったん契約内容に適合しないものを引き渡した相手に対して、契約内容に適合した給付を請求することをいいます。
種類や品質について不適合があれば新しいものを請求し、数量に不足であれば、不足分を請求します。
例えば、天井からの水漏れがある場合、売主の費用で修理を請求することができます。
・代金減額請求
契約時に定められた金額は反対給付である物の性質に応じたものとなっているため、この金額を支払う必要は当然ありません。
もっとも、何かしら契約に適合しない物を受け取っており、これで追完請求が功を奏しない場合には、代金の減額を請求することができます。
土地の売買契約において、契約上定められていた土地面積より、実際に受け取った土地の土地面積のほうが小さいような場合で、当該土地の面積が、売買価格の決定の基礎となっている場合には、土地面積に合わせて代金の減額を請求することができます。
・解除
契約不適合とは債務不履行であるため、買主は債務不履行を理由とする解除を行うことができます。
解除によって、支払った代金があれば、これの返還請求を行うことができます。
・損害賠償請求
上述の通り、契約不適合責任とは債務不履行であるため、これによって買主が損害を被った場合には、債務不履行に基づく損害賠償請求を行うことができます。
契約不適合責任の期間制限
種類や品質が異なる物を引き渡した場合、いつまでも契約不適合責任を負うとすると、不都合があります。
そのため、いつまでも契約不適合責任を負うとせず、一定の期間が過ぎるとどう責任が消滅します。
買主は、契約不適合を知った時から1年以内に、契約不適合がある旨通知しない限り、履行の追完請求等ができなくなります。
不適合を知った時とは、契約不適合責任の追及し得る程度に確実な事実関係を知った時を指します。
また、通知は、不適合の内容を把握することが可能な程度に不適合の種類や範囲を伝える必要があります。
もっとも、売主が、物の引き渡しの時点において、その契約不適合について悪意又は重過失がある場合には、期間制限にかかりません。
契約不適合の免責
契約不適合責任を負わない旨の特約を当事者間で交わした場合には、同特約にしたがって契約不適合責任を負うことは原則としてありません。
もっとも、売主が、契約に適合しないことを知っているにもかかわらず伝えない場合や、売主自らが権利の制限を設定し、又は権利を譲渡した場合には、契約不適合責任を免れることはできません。
不動産トラブルは米重法律事務所におまかせください
契約の内容に適合しない不動産を引き渡された場合には、売主に対して原則として、追完請求、減額請求、解除、損害賠償請求を行うことができます。
もっとも、契約不適合といえるか、相手に対してどのように何を請求すればよいのか、訴訟を見越して証拠化しながらトラブルの解決を図ることが重要です。
弁護士に相談することで、お困りの方のニーズを実現するリーガルアドバイスを提供することが期待できます。
米重法律事務所は、不動産トラブルにお困りの皆様からご相談を承っております。
不動産トラブルにお困りの方は、お気軽に米重法律事務所までご相談ください。
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米重 浩史Hiroshi Yoneshige
私は16年間、上場企業の法務部・経営管理部に勤務しており、様々な法律問題と契約業務に携わっていました。
会社員時代の企業側の視点・感覚なども活かしながら、ご相談者様の立場に立ち、早期解決を目指してアドバイスいたします。
少しでも不安なことがありましたら、遠慮なくご相談ください。
所属団体
- 東京弁護士会
経歴
- 2001年 東京大学法学部卒業
- 2001年 上場会社勤務(2017年まで)
- 2017年 司法試験合格(司法試験予備試験経由)
- 2018年 弁護士登録
- 同年 「米重法律事務所」開所
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