個人再生で失敗しないためのポイントとは
個人再生とは、債務の元本、利息、遅延損害金を減額して、3〜5年の期間をかけて分割返済をしていくという債務整理手続きです。
財産を手放すことなく借金を減額することができ、また減額幅も大きいことからマイホームのある方には、嬉しい制度といえます。
本ページでは、個人再生で失敗しないためのポイントについて詳しく解説をしていきます。
◆個人再生での失敗とは
個人再生で失敗するということがなかなかイメージできない方がいらっしゃると思いますが、具体的には、裁判所に棄却、廃止、不認可、取消をされることを指します。
以下では、それぞれについて詳しく解説をしていきます。
●棄却
民事再生法では、個人再生を開始するための要件が定められており、この条件を満たしていなかった場合には再生手続きに進むことができません。
民事再生法25条、221条により棄却されてしまう例としては次のようなものがあります。
・継続的、反復的な収入を得る見込みがない
・住宅ローンを除く債務が5000万円を超えている
・再生計画案の作成、可決、再生計画の認可の見込みがないことが明らか
●廃止
個人再生の手続きの途中に、債権者の書面決議というものがあります。
この書面決議は小規模個人再生の場合のみに適用されるものとなっています。
この書面決議において、債権者の過半数の同意が得られなかったり、財産目録に記載すべき財産が記載されていなかったり、不正な記載がされているような場合には、再生計画が廃止されることになります。
●不認可
書面決議終了後に、裁判所は個人再生を認可するかどうかの判断を行います。
ここで裁判所が認めないと判断してしまった場合には、不認可となります。
その判断基準としては以下のようなものがあります。
・債権者一般の利益に反するとき
・不正の方法によって決議が成立したとき
・法律の規定に違反し、その不備が補正できないとき
・最低弁済額の要件を満たしてないとき
・「履行可能性テスト」で失敗したとき
●取消
個人再生が裁判所に認可されたとしても、その後に取消となってしまうこともあります。
再生計画が不正の方法で成立した場合や、再生計画が計画通りに遂行されていない場合には、取消となります。
◆個人再生で失敗しないためには
個人再生で失敗しないためのポイントはいくつかありますが、中でも重要なものをピックアップします。
まずは何と言っても、継続的、反復的に収入を得られる職に就くことがポイントとして挙げられます。
個人再生は、借金の返済義務が免責されるものではなく、債務額を減らした上で、返済を継続していくためのものですから、安定的に収入を得られる仕事でなければ認められないのは、当然のことではあります。
これは正社員でなければならないというわけではなく、実はパートやアルバイトであっても認められます。
次に財産隠しなどの不誠実な行動をしないことがポイントとして挙げられます。
財産隠しは、個人再生失敗の代表的な理由の1つとなっています。
個人再生は、債務を大幅に減額することができるため、債権者にとっては大きな不利益となります。
そこで自分が損をしたくないという気持ちが先行して、財産隠しなどの不誠実な対応をしてしまうと、債権者に不利益を与えてしまうこととなり、裁判所としてもシビアに判断をするため、即座に手続きが失敗となってしまいます。
最後に個人再生が認可された後は、再生計画通りに返済を行うことがポイントとして挙げられます。
再生計画では、減額された債務と、債務者が得られるであろう収入とをしっかりと計算し、毎月無理のない返済ができるように設定されています。
そのため、真面目に計画通りに返済をする必要があります。
米重法律事務所は、新宿区を中心に東京都の案件を積極的に受任しております。
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米重 浩史Hiroshi Yoneshige
私は16年間、上場企業の法務部・経営管理部に勤務しており、様々な法律問題と契約業務に携わっていました。
会社員時代の企業側の視点・感覚なども活かしながら、ご相談者様の立場に立ち、早期解決を目指してアドバイスいたします。
少しでも不安なことがありましたら、遠慮なくご相談ください。
所属団体
- 東京弁護士会
経歴
- 2001年 東京大学法学部卒業
- 2001年 上場会社勤務(2017年まで)
- 2017年 司法試験合格(司法試験予備試験経由)
- 2018年 弁護士登録
- 同年 「米重法律事務所」開所
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